DUST #11

北沢美樹

北沢の写真は一見すると身の回りの風景や日常を捉えた作品のように見えますが、鑑賞を続けるうちに、彼女は私たちが視覚で物事を捉える際に必須である光そのものを撮影していることに気付きます。彼女の写真には、反射や、”もや”、”揺れ”、日光の移り変わりや陰などの光が生み出す場景が捉えられていますが、その写真を鑑賞することで、私たちは目に見することのできない事柄を目にします。北沢は写真の撮影と並行して、周囲にいる人物や街で偶然であった人へのインタビューを収集しています。その行為が彼女の人間に対する興味と関心といった外側へのコミュニケーションを通じての表現というのであれば、彼女にとって写真を撮影する行為は彼女自身の内側に対するコミュニケーションの結果に生まれた表現なのかもしれません。
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