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未規定性の匣

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動物の行動は本能によって規定されている。だから彼らはある一定の枠組み(匣)の中でその一生を終える。故に迷うことがない。他方、人間は社会が現代に向けて成熟するのに比例して本能的には生きられなくなった。故に未規定の状態では世界を規定できず一歩も前に進めない。その未規定性を埋めるために制度が必要になる。制度があれば、自分で規定を作る必要から解放される。ドイツの人間学者のゲーレンによれば、世界が規定されたものとして現れることで初めて人間は自由を得られるという。

自由の定義は時代と共に変遷してきた。本能的には生きられなくなり、生きづらさを感じた人間達は社会=枠組みという規定から逃れることで自由を獲得しようとするが、そこで得ようとしているのは社会における認識の齟齬と共にはき違えられた自由である。そのような矛盾の中で、オルタナティブな社会の在り方として登場するのが共感能力をベースとして生まれるコミュニティであろう。現在ではすっかり崩れ去った「見ず知らずからなる我々」という共感概念、見ず知らずの人間を自身と関係づけてみることが求められているように感じられる。

何千年という時間をかけて生まれる鍾乳石を見たときに誰もが共有する感情。それは圧倒的な時間への賛美そして尊敬であろう。まさに誰もが共感せずにはいられない。鍾乳石には遠く及ばないが、未規定性の匣には私自身の時間を刻んだ作品が納められている。スピード感が求められる21世紀では、時間を込め、規定や枠組みへの再考を提案する作品というのは静かで受け入れがたいかもしれない。しかし、そこにこそ普遍的な真理や本質があると感じるのは私だけだろうか。

アーティスト

制作年

2019年

エディション

1 / 1

メディア

アクリル 木材 on 木製パネル アクリル板

作品サイズ

10.0(H)x83.6(W) x63.0(D)cm
作品価格によらず月々のレンタル代は4,800円から。

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