1990年生 / 東京都出身

作家紹介
アーティストステートメント

私は、自身と切っても切り離せない、日々流動していく身体、思考、それらの相互関係の不明瞭さを主軸に制作しています。また、そこから派生する形で、食事やセックスといった固定化できない様々なものの相互関係、コミュニケーションの中で見え隠れする自己や他者を作品のモチーフとしてたびたび描いてきました。
もともと身体と精神の関係性に興味を持ったのは、自分の体が自分の意識(精神)にとって、他者のように思えることがあるからです。自分の体でも融通がきかないところがあったり、コントロールできないと強く思ってしまうことってありますよね。風邪をひいた時など。普段、自由に動ける、自分は自分の体を保持していると思っているけれど、実は生々しい 体に自分が規定されているように感じる時があります。あるいは体じゃなくて、それと対立する形で示される精神や意 識 も、どこまでが自分のものかはわからないと思っています。それは、フロイトが言っているように、無意識の領域が非常に深く人の中に根ざしていると考えられるからです。意識の領域では支配できない未知の領域が精神や思考の中にも感じられます。
完全な他者ではない、けれど完全な自分でもない。そういったコントロールの及ばないところが、自身の制作において強く反応として表出しているのではないかと思っています。常に自分は他者の介入にさらされていると感じています。それは自分の体であったり、自分の皮膚に触れてくる外界のものすべてです。そうした部分をいかに自分のものにするのか、 あるいはコントロールのきかなさを自己の中で許容したくて制作している気がしています。
人間にとって、絶対的な物質としてある身体と、目には見えない精神、などといった対立する不明瞭なものが、一体どのようなつながりを持ち、どのように重なり合い、共に動いているのか、そういった根源的な問いを、制作を通して自分自身に問いかけているのかもしれません。

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プロフィール
2015 多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
2015- 多摩美術大学大学院美術学部絵画学科油画専攻 在籍中

受賞歴
2015年 SHISEIDO ART EGG賞
2014年 第1回CAF賞 保坂健二朗賞
2014年 マネックス証券主催 ART IN THE OFFICE 2014

個展
2016
ART TAIPEI 2016 – WAITINGROOMソロブース(台北・台湾)
Back is confidential space. Behind=Elevator - WAITINGROOM(東京)
2015
コレクターとアーティスト:川内理香子 - T-Art Gallery(東京)
SHISEIDO ART EGG vol.9 : Go down the throat - 資生堂ギャラリー(東京)

グループ展/アートフェア参加等
2016
Stereotypical - GALLERY PARC(京都)
2015
デッドヘンジ/エステティック – HIGURE 17-15 cas(東京)
2014
第1回CAF賞入賞作品展 - TABLOID GALLERY(東京)
That I shall say goodnight till it be morrow - 新宿眼科画廊(東京) 2013
凸展 - TKPシアター柏、アートラインかしわ2013(千葉) Home Made Family - CASHI冷蔵庫内(東京)
Sleep No More - 多摩美術大学芸術祭(東京)
2012
OTHER PAINTING XI - Pepper's Gallery(東京)
凸展 - そごう柏店、アートラインかしわ2012(千葉) ドーナツのない穴 - 多摩美術大学芸術祭(東京)

その他の主な活動/仕事歴
展覧会図録
『STEREOTYPICAL 西山美なコ I 川内理香子』展覧会記録集、2016年3月15日、京都精華大学現代アートプロジェクト実行委員会
『第9回shiseido art egg展カタログ』2015年5月29日、株式会社資生堂

掲載記事
島貫泰介「あなたの知らないニューカマーアーティスト100」『美術手帖』1043号、2016年12月号、p.16、美術出版社

「コレクション拝見Vol.40・大坂恵一さんの鋭い視点を持つコレクション」、『月刊アートコレクターズ』NO.89、2016年8月号、p.78、生活の友社

「コレクション拝見Vol.37・鳥越貴樹さんの今と未来を楽しむためのコレクション」、『月刊アートコレクターズ』NO.86、2016年5月号、p.131、生活の友社

山内宏泰「美と真実/ART&TRUTH (vol.3)」、『GOETHE』6月号第11巻第6号通巻123号、2016年6月1日、p.17、幻冬舎

「2015-16 美術賞グランプリ速報」、『美術の窓』NO.389、2016年2月号、p.146、生活の友社

「現代美術の歩き方」、『美術の窓』NO.388、2016年1月号、p.107、生活の友社

「川内理香子が人間の存在意義や関係性を「線」で表現、最新個展を開催中」、NeoL、2016年1月14日、http://www.neol.jp/culture/36639/

野路千晶「たゆたう身体と関係性の中で・川内理香子が恵比寿で個展開催」、bitecho、2015年12月23日、http://bitecho.me/2015/12/23_645.html

野路千晶「期待のアーティストに聞く!・川内理香子インタビュー・たゆたう身体と関係性の中で」、『美術手帖』1032号、2016年1月号、ART NAVI内 p.9、 美術出版社

「人間の存在意義や関係性を「線」で表現、川内理香子の新作展」、CINRA.NET、2015年12月14日、http://www.cinra.net/news/20151214-kawauchirikako

島貫泰介「生きることの居心地の悪さを振り切りたい 川内理香子インタビュー」、CINRA.NET、2015年1月14日、http://www.cinra.net/interview/201501- kawauchirikako

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